【福岡市南区】アスベスト解体工事の現場から|専門業者が伝えたい“厄介さ”と安全へのこだわり
解体工事とひとことで言っても、現場によって大きな違いがあります。古い木造家屋の取り壊しからビルの解体まで、作業内容も手順もさまざま。そんな中で、私たち解体業者が特に神経を尖らせるのが アスベスト(石綿) を含む建物です。
今回は、実際に 福岡市南区で行ったアスベスト除去を伴う解体工事 を例に、「なぜアスベストは厄介なのか」「専門の対応が必要なのか」をお話ししてみたいと思います。
アスベストとは?なぜ怖い?
アスベストはかつて「奇跡の鉱物」と呼ばれ、断熱・耐火性能が高く、建築資材として広く使われていました。特に1970年代から1980年代に建てられた建物には、吹付材やスレート板、断熱材として含まれているケースが少なくありません。
しかしご存じの通り、アスベストを吸い込むことで肺がんや中皮腫といった病気の原因になることが明らかになり、現在では使用が禁止されています。問題は「すでに建っている建物」です。古い建物を解体する際、そこにアスベストが含まれていると、適切に処理しない限り、周辺に飛散してしまう危険があります。
福岡市南区の現場で起きたこと
今回ご依頼いただいたのは、福岡市南区にある築40年近い木造住宅の解体でした。事前調査を行ったところ、屋根材と内壁材の一部にアスベストが含まれていることが判明しました。
「ただの古い家屋の解体工事だと思っていた」とお施主様は驚かれていましたが、これは珍しい話ではありません。実際に調査をして初めてわかることが多いのです。
アスベスト除去は“すらない”と大変
もし、この工程を 「アスベストがないだろう」と思い込み、調査を省いて解体を始めていたら……。
粉じんが舞い上がり、作業員はもちろん、近隣住民にまで健康リスクが及んでしまいます。
さらに法律でも厳格なルールが定められており、アスベスト除去工事は「大気汚染防止法」や「石綿障害予防規則」に従わなければなりません。適切に届け出をせずに作業をすると、発注者や施工者に重い罰則が科されることもあります。
つまり、アスベストを“すらない”(確認・処理をしない)で工事を進めることは絶対に許されないのです。
実際の対応手順
南区の現場では、以下の手順を踏みました。
- 事前調査(建材サンプルの採取・分析)
- 行政への届け出
- アスベスト除去専用の養生シート設置
- 負圧集じん機の設置で飛散防止
- 防護服・マスクを着用した除去作業
- 専用袋に密閉して産業廃棄物として処理
- 最終確認・空気中濃度測定
- 安全が確認されてから本格的な解体工事へ
こうした流れを一つひとつ丁寧に進めていくことで、ようやく解体がスタートできます。お施主様からすれば「解体までが長い」と感じられるかもしれませんが、ここを省略すれば取り返しのつかないことになってしまいます。
お客様の声と現場での想い
「まさか自分の家にアスベストがあるとは思いませんでした。でも、最初にきちんと調べていただいたおかげで安心して任せられました」と施主様からお言葉をいただきました。
解体工事は“壊す仕事”ではありますが、実際は 周囲を守るための仕事 でもあります。特にアスベストに関しては「ただ解体する」では済まされません。私たちは毎回、「自分の家族や大切な人が隣に住んでいたらどうするか」という気持ちで現場に臨んでいます。
まとめ|福岡市でアスベスト解体を考える方へ
福岡市内でも、特に南区や東区、西区の一部には、アスベストを含む古い建物がまだ残っています。解体工事を検討される際には、ぜひ以下の点をチェックしてください。
- 事前調査を必ずしてくれる業者か?
- 行政への届け出や処理を正しく行っているか?
- アスベスト除去の実績があるか?
解体工事は見積もり金額だけで判断すると危険です。安全対策を怠らない業者を選ぶことが、ご自身と地域の安心につながります。
